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ネムリヒメ.
第15章  イチゴタルト.



「おはよ…」


葵くんはニッコリと朝から例のキラースマイルを浮かべると、そのままアタシの腰を片手で抱えたまま階段を降りていく


「えっ、わっ、葵くん!?」

「ん!?」


待って、待って、待って!!

浮いてる!? 抱えられてる!?


「葵くん、重いから!!」

「ジタバタしてるとホントに落ちちゃうよ!?」


なんとか階段からの落下は免れたものの、こんなのって…

笑いながらアタシを軽々と抱える葵くんに、驚くやら、恥ずかしいやらで

無事に下のリビングへと下ろされると、ホッと力が抜けて床に座り込んでしまった


「はぁ、焦った…」

「あ…えっと…」

「さすがにあんなトコから飛んだらケガじゃ済まないって」

「う、うん…ありがとう」


笑いながら頭をポンポンとする葵くんに、心臓が色々とバクバクしているアタシ


「立てないなら抱っこしよっか!?」

「えっ…あ…」


朝から刺激の強い彼の笑顔と言葉がバクバクの心臓を痛めつける


「…よいしょ」


屈んで一度目線を合わせた葵くんが、両手で抱き上げてアタシを立たせてくれる

顔をあげると互いの視線がぶつかった





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