この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.
「お前が来ないと話にならないんだけど…」
聖くん!?
聖くんが雅くんに正面から顔を寄せて絶対零度の笑顔を向けているっていうか、凄んでる
「ねぇ雅、お前自分が重要参考人って自覚あるわけ…」
え……
なに…なに…
「うるせーな、誰も行かねぇなんて言ってねーだろ!!」
「ならいいんだけど…」
雅くんが"重要参考人"って…なに!?
すると葵くんが言葉を失うアタシに気づいたようで、渚くんを伺う
「ナギ、ちーちゃんに言ってないの!?」
「あぁ…まだだった」
言ってない…
何を…!?
そこで葵くんが再びアタシの方を向いて笑顔を浮かべた
「あのね…あの日、ちーちゃんを悪党から救った白馬に乗った王子様は…」
へっ……!?
「みっくんなんだよね…」
「……………!!」
驚きすぎて…
「…って、酔って本人は覚えてないんだけど」
「それ、脚色しすぎ…」
彼らのそんな声なんて聞こえて来なくて、
もちろん…
「これで雅、逃げられないね」
「っ………クソ…」
そんな聖くんの冷笑も、諦めたように吐き捨てる雅くんのばつの悪そうな顔も…
確かに見たんだけど
……覚えて…ない