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ネムリヒメ.
第16章 散らばるカケラ.
コンシェルジュに案内されてやってきたのはホテルの裏側のオフィスエリアだった
聖くんは仕事できてるわけだから当然と言えば当然だろうけど、アタシも一緒でいいのかな
そうもしていると、とある部屋の手前までやってくる
「ここまでで構わないよ」
「では、紫堂はこの先の自室におりますので…」
「ありがとう」
聖くんはコンシェルジュにそうお礼を告げるとアタシの手を引いて目的の部屋の前で立ち止まった
【 The President's Office. 】
目の前に飛び込んでくるその文字
しゃ、社長室…って
「ちょっと待って、聖くん」
「んー!?」
「アタシも一緒でいいの? カジノホテルの社長さんとだなんて大事な商談とかするんじゃないの」
思わず退け腰で彼に小声で問いかける
「あはっ、むしろ歓迎だと思うけど。懐の深い人だから平気ー♪」
それ、懐の深さの問題なの!?
「それに、ちーちゃんもよく知ってる人だから大丈夫♪」
は…!?
聖くんはニッコリ笑うと戸惑うアタシの手を取ってノックした社長室の扉を開いた
「やっほー♪パンケーキ食べにきたよー」
え…
なにその挨拶っ
緊張感の微塵も感じさせない彼の態度は相変わらずで
「あっれ、いないのー!? 失礼しまーす」
返事がないコトに聖くんは首を傾げるとアタシを連れてツカツカとなかに入る
すると部屋の奥から人の声が聞こえてきた