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ネムリヒメ.
第16章  散らばるカケラ.




バタンと扉の閉まるのを確認すると聖くんがヘラリと笑い声をあげた


「ゴっメンねー、渚くん♪取り込み中に」

「…構わない」


笑顔を浮かべる聖くんに渚くんは大きくため息をつくと乱れたネクタイを締め直す

そしてアタシたちに背を向けると、デスクに置かれたタバコに手を伸ばしてライターの蓋をピンっと鳴らした

煙を吐き出すと、気だるそうにデスクに寄りかかり髪を掻き上げながらこちらに視線を戻す彼

目が合ったけれど、アタシの視線は自然に逸れてしまう

ただ、聖くんだけが楽しそうで…


「あはっ、邪魔だった!?」

「いや…助かった」

「意味わかんないなぁ…ねっ、ちーちゃん」


なにも言えず黙ったままのアタシの肩を抱くと聖くんはソファーに座るように施す


「さーってと、事情があるなら聞いてあげてもいいけど…

とりあえず、ここのパンケーキ 全種類頼んでもらおっかなぁ♪」

「は!?」

「早くしてくれないと、ちーちゃんのなかで不安が膨らむだけなんだけど…このまま泣かす気!?」

「…………!!」


渚くんはアタシの表情を伺うと、デスクの電話に手を伸ばした


あ、そうか
パンケーキ食べにきたんだっけ…

でもなぜか、あんなに楽しみだったパンケーキが今はちっとも楽しみじゃなくなってる

なんか胸のなかがモヤモヤしてて…

不安っていうか…

胸がさっきからツキツキしてる



なんか…イヤだ…


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