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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
…それは遡ること30分程前のこと
なんとかバスルームから逃げ出した雅は再びソファーにカラダを投げ出していた
ったく、沈めてぇのはこっちだっての…
つーか…
カオスを纏って自分に詰め寄る渚の姿に、思い出しただけで背中にゾクリと悪寒がはしる
葵のヤツ何したんだよ、あんな渚さん見たことねぇ…
あれからしばらく時間は経つが、未だ響いてくるふたりの声にもう溜め息すらも出てこない
「…で、オレはなんのためにここにいるんだよ」
もはやそんな疑問さえが過る
するとそこへいつものヘラヘラ声が聞こえてきた
「あっれー、なんで雅ひとりなわけ!?」
「あ!?」
声のするベッドルーム側を振り替えればガウン姿の聖が顔を覗かせていた
「こっちが聞きてぇんだけど」
「渚くんたちまだやってるの?」
聖はバスルームの声に首を傾げると、テーブルのシャンパンクーラーからボトルを手に取り馴れた手つきでコルクを抜く
「アイツらなんなの…ふざけやがって」
ポンッと気持ちのいい音がして、雅から止めに入って返り討ちにあった旨を聞いた聖はグラスを口に運びながらヘラリと笑った
「あはっ、葵くんの身辺整理のせいで渚くんが派手に巻き込まれてるんだよね♪ 渚くん、仕事に差し支えてて相当のストレスみたいだよ」
「…あっそ、どうでもいいわ。つーか、どうでもよすぎて余計にムカつく」
雅はそう吐き捨てるとソファーから腰をあげた