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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
「はぁ…やってらんねぇ」
「雅、どこ行く気?」
部屋を出ようとする雅を引き留める聖
「帰ろうとか思ってないよね…」
「っ…帰るかよ、まだ海には沈みたくねぇ。風に当たってくる」
「…ふーん…そぅ♪ じゃあさ……」
「……………っ!!」
自分に不気味なくらいな綺麗な笑顔を向けてくる聖に何かを察した雅は足を止めた
「雅、珍しく聞き分けのいいお前にご褒美♪」
「あ!?」
まったく考えの読めない聖に雅は顔をしかめる
「お前が戻るまで渚くんと葵くんをなんとかしといてあげるよ」
「……………」
…んだよ、そんなことなら
しかし、笑顔のまま近づいてくる聖に一抹の不安を覚えた雅は後ずさるが…
トン…
背中に当たった冷たい壁の感触に足を止めざるを得なかった
「そのかわり…」
案の定、雅を壁際に追い詰めた聖の表情が妖しいものにかわる
「一緒にちーちゃん連れてって」
「はあ!?」
訳がわかるわけもなく、納得もできず、そう返事を返す雅だったが、下から見上げる絶対零度の微笑みに背筋が凍りつく
「いーい、雅!? 泣かすな、怯えさせるな、ちゃんとエスコートしてあげて」
「…っ……!!」
「それで、着替えを…ちゃんと上から下まで全部綺麗に見立ててあげて」
「……なんでオレが……」
「…なんで?」
言葉を返す雅に栗色の瞳が妖しく揺れながら更に迫る