この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
え…
脱げって………!?
「ほら、早くしろよ」
「………っ」
フィッティングルームに雅くんの声と、これでもかと騒ぐ自分の鼓動が響いていた
ファスナーを目一杯下まで下げられ落ちそうになるドレスの胸元を必死に押さえる
え……と……
脱げってなに、脱げってなに!?
真っ白な頭のなかは完璧にパニックだった
すると
バサッ…
うえから何かを被せられてハッとする
「え……」
………ガウン!?
肌の上を柔らかい肌触りのガウンがアタシを包み込む
そして
「こっちに着替えろ」
あ……
そう言って差し出されたのは別のドレスだった
「ったく、早く着てるヤツ下に落とせよ」
そうつっけんどんに言いながらも、彼はアタシの髪を簡単にまとめ始める
「へっ…!?」
「は!? だから脱げって…」
そしてまとめた髪をヘアクリップでとめると、胸元を押さえるアタシの手を解いた
バサッとした感覚で足元にドレスが落ちるのがわかる
「こっちなら少しはマシだろ…」
雅くんはそれだけを言うとフィッティングルームから出ていってしまう
アタシは半ば茫然としながら、新しく彼に渡されたドレスに袖を通した
「……!!」
それは、ロイヤルブルーがよく映えるタイトなデザインで、胸から上が白のレースに切り替えられたフレンチスリーブのドレスだった
シンプルな形なのにとても華やかに見える