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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
所変わってお留守番組がいるスイートルームでは…
「は…………」
「え…もっかい言って」
聖によってバスルームから引きずり出された渚と葵が茫然と立ち尽くしていた
ふたりの前には、ソファーに腰を沈め悠々とシャンパングラスを傾けている聖の姿がある
「えー、同じコト言うのもう10回目なんだけどー、飽きたぁ…っていうか、ふたりともおバカさんなわけ?」
「「………………」」
「だからー…」
聖は煩わしそうにふたりの顔を見ると、ケーキとアイスクリームののったデザートプレートに手を伸ばす
「ちーちゃんは雅と仲良くデート中なんだってばー」
「「………………!!」」
10回目にもなる聖の告白に未だにその事実を受け止めきれていない様子のふたり
聖はモゴモゴと口を動かしながら不満の表情を浮かべる
「ちょっとー、そのリアクションも10回目なんですけどー…飽きたからもう言わないからね」
「…ありえねぇ」
「…ないないないない」
「そっかなぁ♪泣いて帰ってこないから上手くやってるんじゃない」
あっけらかんとする聖を前に、渚はタバコに火を着け、葵はシャンパンを一気に呷った
「ふたりとも驚いて心配してるけど、この状況下で手っ取り早いし我ながら良策だと思うんだけどなぁ♪」
「…は?」
「どの状況?」
「えっ、誰かがいつまでもお風呂んなかで騒いでる状況♪」
「「……………」」