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ネムリヒメ.
第18章  不機嫌な Navy Blue.




「雅は誰よりもファッションセンスに長けてるし、それに何か思い出したらラッキーでしょ!? 雅も、ちーちゃんも♪」

「……………」

「きっと今頃、雅に可愛くしてもらってるよー♪」

「……………」

「なーのーでっ♪ 自分が行きたかったとか、自分が行きたかったとか、自分が行きたかったとか…

いつまでも騒いでたふたりには反論する権利はないからね」


はい、と声を揃える渚と葵に聖は満足そうに笑いながらケーキを口へと運ぶ


「…つーか聖、反論はしねぇし、むしろ雅を丸め込んで千隼と送り出したのも褒めてやるよ。だけど…」

「んー?」

「お前…なんでガウン姿なわけ!?」


渚の声に、大きく口を開けたまま聖は顔をあげた


「なんでって…」


ニッコリ笑うと真っ赤なイチゴを美味しそうに頬張る


「あはっ、そんなコト聞くの!? いい大人が野暮じゃない…?」

「あ!?」


明らかに察しのついた渚がたちまち表情を変える


「葵くんがいけないよねー…」

「っ……!!」

「あんな…極限まで追い込んどいて半端にするんだもん♪」


聖の指摘にビクリと肩をあげる葵


「ちーちゃん…熱いままで辛そうだったし………」

「っ…待って、ナギ……」


灰皿にタバコを潰した渚は葵の前に立ちはだかる


「あんな風にねだられたら……」

「なぁ、葵…」

「っ…聖でしょ!?」


渚を取り巻く黒い影に葵の顔が思いきりひきつった


「あはっ、美味しかった♪」


そんなふたりの前で聖は綺麗にケーキを平らげて…


「…のぼせたちーちゃん♪」


そんな声と一緒に渚の右フックが葵に炸裂した





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