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ネムリヒメ.
第18章 不機嫌な Navy Blue.
そしてさらに追い討ちをかけるように彼は
「…事務所に伝えとくから事務所と名前教えて」
アタシを一旦手から逃がすと、身をかがめ彼女が背にするショーウィンドーに手をついた
思わぬ雅くんの壁ドンに、さらに固まる彼女…
「…教えろって、聞こえねぇの」
う…わ…
さらには、さっきも聞いた甘い声が上から降り注ぐわけで…
初めて誰かが悩殺される現場を目の前でみた気がする
…それから彼女から事務所と名前を聞き出した雅くんは満足そうに微笑むと、悩殺寸前になっている彼女の耳元に顔を寄せた
「よーく…伝えとく」
「…………っ!!」
雅くんの仕草にビクリと肩を震わせる彼女
そんな彼女に雅くんはクスリと喉を鳴らしながら顔をあげれば、腰を砕いた彼女はその場に崩れ落ちるわけで…
「楽しみにしとけよ…」
え…
そんな言葉とは裏腹に、一瞬で殺気だった鋭い視線で落とす雅くん
「…………っ!?」
まるで別人のように表情を一変された彼に、彼女はビクリとカラダを強ばらせ、アタシも呆気に取られる
すると、そんななか再びアタシの手を引く雅くんは乾いた笑みを浮かべ…
「それまでアンタがこの業界にいられればの話だけどな……」
「…………!!」
そう上から低い声で吐き捨てると、彼の言葉の意味を理解して顔を真っ青にする彼女たちの前でアタシの腰に手を回す
「…行くぞ」
雅くんは喉をヒュッと鳴らしながら絶句する彼女たちを横目に嘲笑うと、アタシの腰に回した手をそっと引いた