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ネムリヒメ.
第18章  不機嫌な Navy Blue.




「……つーか…マジ疲れた」


アタシたちは再び夜風に吹かれていた

再度立ち寄ったプールサイドで風にあたる

さっきと同じようにビーチチェアに横たわる雅くんの隣に腰をおろしながら、グラスにさしたストローに手を伸ばした

かき混ぜればピンクレモネードがカラカラと氷の涼しげな音をたてる

と、


「なぁ、ガラガラうるせぇから…」

「あ、ゴメ…」


静かに目を閉じたまま、ボソッと呟く彼

そんな彼は、もはや定番と化したいつもの不機嫌キャラに戻っていた

さっき見せたような甘さの欠片などどこにもなく、ここにつくなりプールバーでドリンクを頼んでくれたのはいいものの、無言のまま渡され今に至る


「お前、寒くねぇの」


すると、自分のジャケットを肩に羽織るアタシに雅くんは伏せていた睫毛を片方だけあげた

あ…心配してくれてるの!?


「うん、平気」

「あっそ…」

「……………」


うん、でもやっぱりいつも通りね


もはや割りきれるほどの相変わらずドライな彼の態度

しかし、そんな態度とは裏腹にこうしてジャケットを貸してくれてたりするわけで…


お陰で寒くはないし、むしろ冷たい風が少し血ののぼっていた頭と、幾度となく密着させられ火照ったカラダには心地いいくらいだった


っていうか…


「なんで……なの」

「は…!?」


突如、静かに呟いたアタシに彼が振り向く


「なに? 聞こえねぇんだけど」


実はさっきから納得のいかないことがあって…






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