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ネムリヒメ.
第19章 記憶の中の摩天楼.
しかし、彼らは真っ赤になるアタシをよそに…
「あーあ、デコルテ出せないのナギせいとかムカつく」
葵くんは尚も頬を擦り寄せ続け、
「は!? …それ、ひがみしか聞こえねぇし」
渚くんは葵くんをただただ煽り、
「あっははー、まーた喧嘩しちゃうの!?」
聖くんと言えば、自分を棚にあげてすっかり傍観者だし
アタシはもう、ぶつけあう視線の先で火花を散らせるふたりに挟まれたままで軽く拷問を受けている気分だった
しかも、
「ちょっと、もう止めようよっ…!!」
「「……………」」
は……、無視!!?
となれば、やむを得ず最終的に助けを求めるのは、喧嘩の相手を渚くんに奪われた雅くんしか……
無視を覚悟で苛立つ雅くんに視線を送る
すると、
「…つーか、お前ら全員バカだろ!!」
あ……
もうめちゃくちゃになった空気を裂くような、アタシを一瞬だけ見た雅くんの一喝
「少し考えろ… ったく、コイツのカラダ見たら、んなの着せらんねぇにきまってんだろうが」
恥ずかしいけれど…ごもっともです。
実際に困ったんだからね!!
しかし、
「えー…みっくん、見たの!?」
「はあ!?見んじゃねぇよ」
「エロ…」
「……………!!」
って、ぇえ!?
ちょっと…
ひとりひとり突っ込むなぁぁあ!!
「チッ…お前らのせいでどんだけ手間かかったと思ってんだよ」
いやホントに…
密かにコクコクと首を縦に振る