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ネムリヒメ.
第19章  記憶の中の摩天楼.




「あと髪ね、どうしよっか」


さらさらとアタシの髪を弄びながら、葵くんが鏡のなかを覗きこむ

やっぱり髪を梳く彼の綺麗な指は心地がいい


「胸元にアクセサリーない分、少し巻いてこっちのサイドに持ってこよっか。せっかくのパールのピアスも見せたいし…」


あ……

雅くんも同じこと言ってたんだけど!!


葵くんと雅くんの言ったことがドンピシャリで目を丸くする


すると、


「あ、もしかして、みっくんも同じこと言ってたりして」

「へ……!? う、うん」


さらに度肝を抜くそんな発言にびっくりした


「やっぱりねー♪ 見てるトコちゃんと見てるね、さすがみっくん」


あ、そっか

雅くんはモデルで葵くんは美容業界人

ふたりともオシャレだしファッションセンスは抜群

やっぱり通ずるものがあるの…かね…


それでも驚きを隠せずにいると、


「そういえば ちーちゃん、みっくんがモデルだって聞いた!?」

「あ、うん…聞いたっていうか……」


髪を巻いてくれている葵くんに聞かれ、彼と出掛けた先で例のファッションブランドのプロモーションを見たコトを話す

雅くんはなにも言わなかったけれど、周りの人たちの反応といい、世界的なブランドのイメージモデルに抜擢されていることといい、彼の存在がいかに名高いかが伺えた


「そっか、みっくんはね…」


葵くんが雅くんのコトを少しだけ教えてくれる

彼は日本だけではなく世界でも活躍しているモデルで、モデルとしての才能だけではなくて、抜群のセンスのよさや人を引き付ける独特の雰囲気から様々な方面から注目されているらしい




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