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ネムリヒメ.
第19章 記憶の中の摩天楼.
「本当にゴメンなさい」
「は…!?」
アタシってばなんてコトを…
「今さらだけど…っ………」
引くもなにも、最悪すぎて…
「フッ…楓に懺悔か!?」
「へ……!?」
「心配すんなよ、お前がドンペリ風呂にしたなんて黙っててやるから」
うん…良かった……
っておぉい!!
違────う!!
「っ、そうじゃない。楓じゃなくて…渚くんに」
「…は?」
「…ゴメンなさい」
「あぁ…」
ガックリと落ちた肩に触れる彼の長い指
「くそ忙しいのに振り回して悪かったって!?」
「……うん」
「そうねぇ……」
っ……
沈黙が痛いです
「その言葉はあの日のお前から聞きたかったけど…」
うん…そうだよね
「…仕方ねぇな、昼間のオフィスのゴタゴタに免じてチャラにしてやるよ」
「………!!」
あ……
弾かれたように顔をあげると、すぐに胸元に抱き寄せられた
それって…
「…まだ…気にしてくれてるの…」
渚くんの不意打ちにドキドキしながら彼の胸のなかでそう問いかけてみる
「そうだな…」
「………!!」
っ…
返ってきたそんな返事にトクンと飛び跳ねる鼓動
抱かれたまま髪を撫でられその音は大きくなるし、チラッと見上げれば半端ない色気がアタシを襲う
ど、どうしよう
もう酔ったかも…
…しかし
妖美に目を細めた彼はアタシの顎を掴むなり
「…嫉妬するお前も悪くない」
「っ!!!」
え…
そ、そっち…!!?