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ネムリヒメ.
第19章 記憶の中の摩天楼.
「あはっ、乾杯ー♪」
きらびやかな夜景をバックに軽やかにグラスの合わさる音が室内に響く
あれからようやく食事が喉を通って、アタシのカラダの火照りが取れる頃、
リビングの一角に全員が顔を揃えていた
キラキラな空間にキラキラ過ぎる男性たちがひとつのテーブルを囲んで高級シャンパンを惜しげもなく呷っている
全員揃うとこんな凄まじいことになるのか…
彼らを取り巻くTPOの相乗効果のせいでとにかく
ま…眩しい
改めて彼らのクオリティの高さに目が眩む
「…お前ってホント食うの下手」
隣でアタシの肩を抱くのは渚くん
山盛りのデザートのプレートを片手に彼らの眩しさに目を細めているアタシの唇を彼の長い指が拭う
渚くんはアタシから拭いとった生クリームを口に含むと向かい側でどんよりとする葵くんを目に笑った
「葵、情けねぇなぁ」
「はあ…また結局、聖のひとり勝ちなんだけどー」
葵くんはシャンパン片手に力なくイチゴに向かって愚痴をこぼしている
「葵、いくら巻き上げられたんだよ」
「…………」
どうやらトランプで聖くんにこてんぱんにヤられたらしく、葵くんは無言のまま人差し指を1本立てた
"1"って…いったい……
すると、
「あっははー、勝負でオレに勝とうなんて100年早いよねー♪」
葵くんとは打って代わって、上機嫌にパフェを頬張りながら大量に糖分摂取をしている聖くんは
「…そろそろ新しくしよっかなぁ♪」
なんてニコニコしながら、とっても楽しそうに口を開くわけで…
「クルマっ♪」
「…………!!」