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ネムリヒメ.
第20章 白と黒の影.
しかもその連れのオトコとやらは確か最近スキャンダルでメディアを騒がせていた大物政治家一家のボンボン…
よくここに足を運ぶ彼は自分の知らない顔ではない
となると、おいおいおい…
めんどくせぇな
内心そんな思いを馳せる渚をよそに彼女は…
「ねぇ、紫堂さん…」
「………?」
「よろしければ今晩…朝までご一緒させていただきたいわ…
色々とお話聞かせてほしいの…ベッドの上で」
「…………!!」
は………
─って、お前の連れはどこ行ったんだよ、さっきまで一緒だったろうが…
隣に腰を下ろし、初対面ながら大胆にも手を握りながらのそんな誘いに思わず顔が引きつりそうになる渚だが
「せっかくですが今夜は予定がありまして…
それに、私だなんて貴女の素敵なお連れ様に怒られてしまいますよ」
「…いやだ、見られてたのね。
でも…貴方に会って気が変わったの、いいでしょ」
「フッ、ご冗談を…」
見ず知らずの客のプライベート、ましてや男女仲に触れるのは好ましくないが…
─勘弁しろ…
呆れと嫌みを込めた紳士的な笑顔で渚は女性を遠回しにあしらおうとする
が、
「即答だなんてつれないのね…でも思った通りそんなところも素敵だわ、一筋縄のオトコはつまらないですもの」
「…………!!」
そんな渚の態度が逆に女性の心に火をつけてしまったのか、カラダを密着させさらに誘ってくる彼女
─マジかよ、早く連れでも千隼でもいいから戻ってこいよ…