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ネムリヒメ.
第21章 あの夜の王子様.
が、
「安心しろ」
「へ…!?」
すがり付くような視線から不安がるアタシを察したのか、長い指先が頬に添えられた
「コイツの寝起きの良さはオレが保証する」
「………!!」
「だから起こしてやって」
「ほ、ホントに!?」
「…んだよ、そんな顔すんなって」
柔らかく目を細められ、指先が唇をそっと撫でる
ちょっ…!!
そっちがそんな顔しないでよ…
急に向けられた柔らかい笑みに、防御力ゼロが乗じて胸がキュンとか鳴っちゃうから
「っ…早く戻ってきて」
なんてコトまで言ってしまうのだ
…やめてよ、顔真っ赤じゃない
そしてさらには、
「へぇ…言うようになったな、お前」
…なんて、満足そうに口元を歪める渚くんが追い打ちをかけるように色気を放出しだすから、アタシはもうたまったもんじゃなくて…
「因みに、一番寝起きの悪いのって…」
そう、誤魔化すように聞いてみたものの
「…葵」
ああ…やっぱり…
とまあ、納得したところで
「っ…!!」
突然、唇が塞がれた
「なぁ…」
「……んんっ…ぅ」
「っ…んなの葵と寝れば、聞かなくても…わかんだろ」
「は……っん」
急に態度を豹変させる渚くん
え、アタシってば墓穴…掘っちゃったの!?
嫉妬の色を滲ませた瞳をギラリと光らせる渚くんにソファーにカラダを押し付けられ、すぐに息を乱される
「お前、オレを妬かせるとかいい度胸してんなよ」
「ッ…して…な…ぁ」
甘くなくなった彼の、カラダの芯を溶かすような甘いキスが容赦なく降り注ぐ