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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
「それじゃ部屋に戻るに戻れないか…でも、キーがなければ行ける場所、少しは限られるよね」
「あぁ…多少、な」
そう…
ホテルのルームキーはゲストのプライバシーとセキュリティの為、機能性と利便性を兼ね備えた非接触型のカードキーとなっている
エレベーターはカードキーが無ければ客室階ボタンを押すことができないシステムで、それに加えて専用ラウンジや限られたゲストしか立ち入ることのできないフロアもあるのだ
かといって、キーなしで自由に出入りできるパブリックフロアは巨大な複合施設なだけあって、狭いはずもなく…
「チッ…よりによって…」
眉根を寄せ、短い息を吐き捨てる渚が顔を歪める
「渚くん、のんびりなんてしてらんない。早く見つけてあげないと」
「ッ…まずいな。さっき客に聞いた…
今夜もどっかの部屋で、えらく趣味の悪い客がとんでもねぇパーティーを開くらしい」
「ちょっ…」
「っ……!!」
「あぁ、相当ヤバイって聞いてる。このままひとりでフラフラさせといたら最悪…」
「…………」
息を飲んで、表情を強ばらせる男たち
その顔には明らかに焦りの色が滲んでいた
「オレは管理室のカメラ…聖は上から、葵は下のフロアから捜して」
返事をする間もなくプライベートルームを飛び出していく聖と葵
「雅、蹴り2発ならまだ余裕で動けんだろ」
「ッ…別に大したことねぇ…」
渚は立ち上がろうとして若干ふらつく雅の腕を引っ張りあげる
「ならお前は…」
「……………!!」