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ネムリヒメ.
第22章 あの夜の…….
雅は頭のなかの映像を振り払い、考えを巡らせる
思い当たる場所っつったって…
賑やかな所にはいないだろう
ここならさっきも一緒に来てるし、それにあの日も…
ライトアップが施され、幻想的に広がる目の前の風景と、思い出された頭のなかの記憶がリンクする
雅はかけていたサングラスを外してジャケットの胸元に引っ掛けると、揺れる水面が美しいプールサイドを歩きながら目を凝らした
すれ違う度に言い寄ってくる黄色い声を適当に軽くあしらい、ビーチチェアでイチャつくカップルの横を通り抜ける
すると、
「………!?」
突然、暗闇のなかを何かが目の前を横切った
幻想的な光を反射してキラキラしたなにかが
しかし、それを目で追ったところで何かがあるわけでもなく…
「は……やっべぇな」
葵と渚の下した天誅のせいで頭がやられたのか、幻覚でも見たのか…
って、こんなの気にしてる場合じゃねぇな
気のせいだと邪念を取り払うように息を吐いて再び目を凝らす
が、
「………!!」
再び現れたキラキラしたそれは、目の前に迫ったと思いきや、雅の前髪の金メッシュの部分に命中して弾けるような衝撃とパシャリという音をたてる
「っ……!?」
そして、その衝撃に足を止めた雅の前髪から滴り落ちる水滴…
吹き抜けた冷たい夜風が雅をさらい、濡れた髪や顔をヒヤッとさせる
狙わねぇと当たるわけ…ねぇ…よな
呆気に取られながら、目を見開いてその先をみる
すると…