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ネムリヒメ.
第23章  薔薇の刺、棘の鎖.






「ふざけんな。つーかお前、今のどういう意味だ」

「え、なにが!?」

「っ、とぼけんな!!」


夜空の下に響く雅の声

望のおちゃらけた声と、雅の切羽詰まったような声が冷たい空気を震わせる


「…ヤバいって、なんだよ」

「………」

「どういう意味だ!!」

「さあ…」


とぼけたような仕草を見せ、勿体ぶる望


「っ…!!」


それには堪えていた雅も、とうとう痺れを切らして目の前の胸元に手を伸ばした


「いい加減にしろ、こっちはお前と遊んでる場合じゃねぇんだよ」

「あっ♪やっとやる気になった!?」


雅にシャツの襟元を引っ張られた望は、待ってました♪とばかりに、サングラスを外して頬笑む


「お互い、顔はナシね」

「のぞ…」

「それから、先にダウンした方が髪の色を変えるコト」

「……!?」

「オレとかぶるお前の金メッシュ…目障りだから♪」

「ふざけ…っ!!」


バシャッ!!


持ちかけられるわけのわからない要求…

さらには、言葉を遮るように至近距離から冷たいレーザー砲を放たれる


「ッ…てめえ!!」


直撃して弾ける水しぶきに顔面をびしょびしょにされ、いきり立つ雅


しかし…


「姫を探してるんでしょ!?」

「っ……!!」


望の口にした言葉に雅はハッとして固まった


「なんで…お前…」

「なんででしょう♪」


しかし、耳を疑う雅に返ってくるのは、唇に乗せられる意地悪な笑みと暢気な声だ





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