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ネムリヒメ.
第24章 Get back.
言葉が喉の奥に張り付いて出てこない
「…だって♪欲ばりなんだね、キミたちのペット…」
「ひゃ…ああぁ──ッ…!!」
「………」
ただ立ち尽くす雅…
その前で、堅い鎖の音色にシーツがまた飛沫で深い色に染まる
こんなの…
黒い金属に拘束され擦りむけて血が滲んだ手首…
ベッドの上の拳銃…
床に転がる空の薬莢…
「ッ…けんな…」
どっからどう見たってまっとうな抱かれ方なんかじゃないのに…
「はや…んッ…く、郁…さ…ァ…」
なのにどうして…
「キモチヨク…シテ…」
嫌がる素振りもみせない
拒絶の言葉すら吐かない
何故、尚もこんなオトコを求めるんだ…
「ッ…ふざけんな!!」
拳を振り上げた雅の前で、まだ腰が激しく痙攣しているにも関わらず郁に向かって更に脚を開こうとする千隼…
彼女は雅が名前を呼んでも反応はなく、ただ熱い吐息が唇を割るだけで…
光のない虚ろな瞳には、映っているはずの自分の姿は映っていなかった
「っ……」
「フフッ…ホントおねだりが上手で、困ったコだね」
薄ら笑いを浮かべながら濡れた手を拭い、腰をあげてガウンに身を包む郁
雅はすぐさまその胸もとを手繰り寄せ、郁に詰め寄った
「てめぇ…こいつに何をした」
「何って…フフッ」
「答えろ!!」
「そんなの…聞かなくたって雅、お前ならわかるだろ」