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ネムリヒメ.
第24章 Get back.
「ッ…!!」
さらにバカにするような物言いに、葵は捕らえたままであった郁の拳ごと銃口の向きを変えた
「…ちーちゃんはどこ」
─このオトコを今すぐ蹴り飛ばしたい…
なんならこのまま撃ってやってもいい
だけどっ…
今はちーちゃんの姿を確認するのが先決だ
怒りで声が震えそうになるのをなんとか堪えながら、部屋に入ってから未だに確認できていない千隼の姿を求める葵
すると、
「あぁ…」
自ら銃をこめかみにあてがう形となった郁の視線がゆっくりと葵の死角になっていたベッドへと注がれた
それに導かれ葵の視線もやや目を見張るように後を追うのだが…
「彼女ならご覧の通りだ…」
「─────!!」
郁の声など耳に入ってこなかった
ようやく見つけることができた彼女の姿を目の当たりするなり、葵の瞳から光が失われる
「殺してやりたい…」
そうぽつりと口にした自分の声さえ聞こえない
…自分の知らない彼女の姿
ただ耳に届くのは、想像もしなかった姿で甘ったるい熱をもて余し、早く誰でもいいから抱いてほしいと涙ながらに悲願する彼女の苦しそうな声で…
「へぇ…いつからたかがオンナひとりにそんなことを言うようになったんだ」
「郁ッ…!!」
お前にしては感心するなとわざとらしい高笑いをあげる郁の胸ぐらを勢いよく手繰り寄せるなり、葵が拳を振り上げる
しかし、
「業界一イケメンでモテオトコの葵くん!?」