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ネムリヒメ.
第24章  Get back.






にもかかわらず、そんな異変に気付かない頭の狂ったバカふたり…

背中が冷たいとか、着替えがどうとか、どうでもいいことを言っている


なんでアイツら気づかねぇの!?

それともおかしいのはオレなのか!?

…幻覚か?

あぁ、そうか…

ハハッ…痛みでおかしくなっちまったのか

そんなことより、千隼が…


自傷気味に笑いながら横たわるカラダを持ち上げようとする雅


そこに…


「みや…び…」


何故か聞こえる覚えのあるハスキーボイス


って…んなわけねぇ


ドンマイ、おかしくなったオレ

今度は幻聴まで聞こえやがる


しかし、


ポタリ…


…!?


頬になにかが滴り落ち、視線を正面に戻した途端…



「─────!!!!!」


心臓が止まってもおかしくないほどの衝撃だった

むしろ動いているのが不思議だった


雅の目の前に、顔を真っ赤に染めながら自分を見おろし頬笑む郁がいたのだ


な…

な…

な…

あり得ねぇだろ…

あり得ねぇだろ!!


なんでだよ!!

なんでなんでなんで!?

まさかゾンビ!?


あり得ない発想だが、これが混乱する雅の限界だった

しかもあろうことか、


「ッ…!」

「………!!」

「────!!!!」


やべぇ、声でねぇ!!!


顔面蒼白の雅

そんな雅にふらふらと迫る郁…


「…お前も道連れだよ」


あっという間に郁から滴る滴で雅の真っ白なシャツが真っ赤に染まる




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