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ネムリヒメ.
第24章 Get back.
それから…
「助けてあげたいんだけど、みっくんはあとね。ちゃんと郁くんの見張りしてること」
「あ、はい…」
葵からそんな声がかけられたのは、雅の声にならない悲鳴がだいぶ空気に溶けて落ち着いた頃だった…
トマトジュースに染められて衰弱の一途をたどる雅をトマトジュースに成敗された郁の見張りにたて、
渚と葵がそこらじゅうに投げ置かれている郁の私物のなかから千隼の手鎖の鍵を探し始める
すると、
「あーあ、トマト味の背中気持ち悪っ…」
激痛とトマトの猛攻に何度も意識を手放しかけるのを必死に堪える雅
そんな彼の耳に、千隼の身を案じつつ必死に手を動かすふたりの声が入ってくる
「うるせーな、だから避けろっつったろーが。しつけぇな」
「下手っぴ」
「あ゛!?」
そういえば、背中をしきりに気にしていた葵
どうやら先に渚が放った銃弾、もといトマト砲の三発のうちの一発が葵の背中にヒットしたらしく、
葵の黒いシャツは大きな染みになり、背中にべったり張り付いている
「だから、下手っぴ」
「はあ!?もう一回いってみろ、テメェも殺るぞ葵」
「だーかーら、ナギの下手っぴ!!」
「………」
って、なんだ…それ…
子供のケンカかよ
次第に互いの声は大きくなり、しまいには怒鳴り合う始末だ
ふざけてんのか
やっぱりこいつらイカれてんだろ…
あー、もういい
聞くに耐えらんねぇ