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ネムリヒメ.
第25章  Black Emperor.






「ちょっとっ」

「……ん!?」

「なんか言ってよ」

「じゃあ、……ふーん」

「ッ…!!そ、それだけ!?」

「うん、それだけ♪」

「ッ───、のんちゃんまで酷い!!」


望の見せたピッカピカのエンジェルスマイルにみるみる若葉の表情が崩れていく


「ワガママねぇ…」


そんな若葉に構うことなく頬杖をつき、ストローで氷をカラカラと鳴らしながら何かを考えるように空を仰ぐ望

すると、


「もう、兄弟揃ってなんでそんななのよ!!ちょっとカッコいいからって調子に乗ってるでしょ」


なんとなく頬が緩んだところで鼓膜をつんざくそんな声に…


「うん、乗ってる♪」

「のんちゃん、可愛くないっ!!」

「別にオレ可愛さなんて追い求めてないし」


やかんのようにピーピー騒ぐ若葉に望はベッと舌を出した


「…でもダメでしょ、ちゃんと兄さんの言うこときかなきゃ」

「っ……、目の前で凄まれたの。…あんなに怖い渚くん初めて見た」

「もう、若葉ちゃんが困らせるからだよ。兄さんを本気で怒らせたりしたら経済破綻に東京どころか日本が沈没した挙げ句に世界が滅びるよ」


再び涙ぐむ若葉を宥めるように声をかける望

しかし…


「ッ…、のんちゃんまでアタシにお説教なの!?年下のくせにナマイキ。もういい、のんちゃんに怒られるくらいならやっぱり渚くんに怒られるからっ!!」

「今はやめときなって、睨み殺されるよ!?ミサイル飛ばされるから」

「うるさいっ!!」


望の制止を振り切り、渚に電話をかけようとする若葉





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