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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
悪魔王サタンも地獄の閻魔大王も、皇帝ナポレオンや独裁者のヒトラーでさえも一瞬で消し去ってしまいそうな殺気が電話口から伝わってきて、思わず身震いをするオレ
粛正しろってウチの魔王が仰せだ
っていうか、世界滅亡とか本気でやりそう
こんなヤバい渚くん、久しぶりかも…
だからこそ…
否、なおさらか
─わかってるよ、でも…
"相手は若葉ちゃん、期待しないで待ってて"
郁くん本当は死んでるんじゃないの!?
いつ人を手にかけてもおかしくない状況の魔王にそう告げたオレは、望が渚くんにねだったっていうブラックタピオカ入りのミルクティを宛てに走った
望のミルクティスポットならだいたいすぐに宛がつく
「ッ…、なんでひーちゃんまでそんなこと言うの!!お説教に来たなら、どっか行ってよ!!もう、うんざりだから早く出てって」
「…お説教!?オレがわざわざそんなものしにここに来たと思ってるの。
若葉ちゃんに道徳解くほどオレはヒマじゃないんだけど…」
「ッ……」
…そんなわけで、オレに組み敷かれ噛みつく勢いでキャンキャンと吠えまくる若葉ちゃん
「だったら…何しに来たのよ…、渚くんも怖かったし、こんなのいつものひーちゃんじゃない」
「…"だったら"!?」
─よく言うよね…
なんでオレが息を切らせてここにきたのか
オレがどうして"いつものひーちゃん"じゃないのか、本当は知ってるくせに