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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
だけどそんなことには動じない
「うるさいな…そんなにミサイル飛ばされたいの!?それとも今すぐその口塞いでほしい?」
「ッ…ひーちゃん!?じょ、冗談だよね」
「この状態でオレが冗談なんていうと思う!?オレが嫌なら望でも構わないよ」
「オレは無理ぃ、もう笑えない冗談やめてよー」
オレのミサイル発言にお腹を抱えていたくせに、名前をだした途端に真顔になる望
さっきからオレの言ってるコトも相当キツいけど、真顔でリアルに拒絶の意を示す望のリアクションの方が相当キツいと思う…
オレは笑えない冗談に笑えないリアクションを返してきた望を鼻で笑うと、顔面蒼白、今にも泣きそうな若葉ちゃんに視線を戻した
「…ねぇ、なに固まってるの?もしかして変な期待しちゃってるわけ」
「………」
「だったら安心しなよ…そもそも若葉ちゃんの"ハジメテ"になんて興味なんてないから」
「っな…ッ…!!」
オレの不適な笑みに真っ青になってたと思ったら急に顔を真っ赤にする彼女
すると次の瞬間、隙をついて拘束を抜け出した彼女の手のひらがオレの頬に乾いた音を響かせた
「っ痛…」
打たれただけかと思った
しかし、ジンジンした痛みの後を、なんだかヒリヒリした別の痛みが追いかけてくる
あ…やられた
妙な感覚に平手打ちを喰らった頬を拭うと、真っ赤な鮮血が手の甲を赤く染めていた