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ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
目には目を…
─目的のモノを得るためならなんでもやる
言葉はなくとも、暗く沈んだ栗色の瞳は追い詰める獲物に向かってそう物語る
「どうしてないの…持ってないわけないよね」
「知ら、な…っ」
「じゃこっち!?」
「…!!」
上半身だけでは事足りないことを認識するのにそう時間は掛からなかった
さすれば、聖の手は必然的に若葉の下半身へと伸びていくのが道理だ
「や…やだやだ、止めて‼止めてよぉ!!」
「………」
「っ、のんちゃん!!おねが…」
「聞こえなーい」
汗ばんだ肌を這う冷たい指の感覚にゾッとして望に助けを乞う若葉
しかし、彼女の抵抗も虚しくドレスの裾は呆気なく聖によって捲り上げられる
そして、
「へぇ、紐ー」
「見…ない、で…見ないでよぉ」
助ける気はないくせにちゃかすことだけは忘れない望に羞恥を煽られ、泣き叫ぶ若葉
しかし、望に気を取られているのもほんの一時のことだった
妙な感覚に視線を自分の下半身へと向けると、酷薄な笑みを浮かべた悪魔がなにかを指に絡め待ち構えていたのだ
「……!!」
フリルをあしらった可愛らしい生地を両サイドで繋ぎ止めるのはサテンのリボン
それは聖の指に絡められ、有無を言わさず次の瞬間にはスルリと小さな音をたてる
指を引かれ、紐をゆっくりとほどかれていく感覚がハッキリと彼女のカラダにもたらされる
今、彼女を支配しているのは羞恥よりも恐怖かもしれない
拒絶の言葉は声にならず、喉がひゅっと変な音をたてるだけだった