この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
だって…
「当たり前デショ。あの狸からそれ取り返したの…オレなんだから」
「………!!」
「オレのケータイ切るコトばっかに夢中になっちゃって、そんなコトにも気がつかないなんてホント…アッタマ軽っ」
望が叱責のように吐き捨てた事実は、彼女を追い込むように更に驚愕させた
今にも睨み殺しそうな勢いのまま彼女の頬を手で掴まえ、その濁った鉛色の瞳に上から自分の姿を映しこむ望
あーあ、望ってばひどくご乱心
そこにうっすらと重なる魔王・兄の面影…と、くれば口を挟むのは禁物ってヤツかな♪
NEO魔王が酷にも自分に代わって色々と打ちのめしてくれるのを見切って、オレはひとまず任せて見守るコトにする
これから彼女に事実を吐露することには変わりない
ただ…さっきから聞いててわかると思うケド、望はオレと比べてもかなりキっツイよ
いつもは周りを振り回すくらいとことんマイペースのクセに、普段フワフワとおちゃらけてる分余計にそうなのか、覚醒時の戦闘力と殺傷能力は半端ない
普段の望だけを見て、本当にあの切れ者の渚くんと血を分け合った兄弟なのかと疑う者も少なくはないところだが、結局のところ血は争えないというのが結論だ
もう一度言うけれど、蛙の子はカエル
で、魔王の弟は魔王より魔王だから…♪
オレは若葉ちゃんに受けた視覚的ダメージ回復の為に二杯目のメープルシロップを口に含むと、さりげなく、"遠慮なく続けていいよ♪"と望に軽く目配せる