この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第25章 Black Emperor.
だって、うちの魔王様ってば可愛い顔してホントに恐いんだもん♪
まぁ…言うなれば、それはオレらの教育の賜物ってヤツなんだけど
それよりも、さーて…♪
オレは全部知ってるから驚かないけど、若葉ちゃんは望の言ってるコトちゃーんとわかるかなぁ!?
「待っ……、なに、それ…」
…あぁ、わかるわけないか
大丈夫、想定内の反応だ♪
言ってる意味がわからないのか、もしくは理解したくないのか…
たちまち血相を変えて取り乱し始める若葉ちゃん
まぁね、混乱するのもわからないワケでもないけどさ…
だって、他者から取り返さなきゃいけないような"渚くんの大事な物"のはずのそれが、いきなり魚の口のなかに消えたんだし
しかも、"紫堂渚の貴重品"なんてレッテルが張られれば、その価値は語らずとも"priceless"だと言ってるようなモノなのに
─"worthless"<無価値>
望はまったく真逆の言葉を突きつけて、その価値を全否定している
「だって…、"渚くんの大事な物"なんで…しょ…!?」
すなわち、若葉ちゃんの行為そのものの意味を否定してることに等しいワケで…
「…意味、分かんな…」
そりゃ理解したくても、すぐに理解できないのもワケもないだろう
しかし、酷な仕打ちだとつくづく思った
「…ねぇ、そのアタマんなかナニ入ってんの。いくら空っぽだって日本語くらいはわかるデショ」
もちろん、こんなこと言ってる望も、言わせてるオレも含めて