この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
ネムリヒメ.
第26章 夜明け.
すると、
「つーか、いつまでも見てないでテメェも名乗れよ。クソ女医が!!」
そんな彼女とアタシの視線のやり取りに気づいたのか、堂々と横槍を入れてくる未だ悶絶中の雅くん
が、
「──────!!!」
…再び悶絶
よく見れば艶のあるピンヒールに踏みつけられる彼の足
「………」
あ…ははは、はは…
もはやこれは黙るしかない
瞬時にアタシはそう察知する
しかし、次の瞬間…
「あ───、もうっ♡可愛いっ♡♡♡合格っ♪もれなく千隼チャンを葵のお嫁さんにしてあげる♡」
「へ………」
なぜか絶句するアタシを両腕でこれでもかと抱き締めるお姉さま
「偉いわ。ちゃんとご挨拶もできるし…最近多いのよね、そういうのまったく出来ないコ」
「ババクサ…小姑か、テメェは」
「お黙りっ!!」
合格とか…
お嫁さんとか…
ご挨拶とか、アタシは別になにも…
「あ…えっと…」
「あはっ、葵くんのお嫁さんってのは聞き捨てならないけど、よかったね♪ちーちゃん。初対面で瑠美サンのお眼鏡に叶ったみたいだよ」
「これで我が家も安泰ねー♡♡♡くれぐれも渚になんて持っていかれるんじゃないわよ」
「えー、瑠美サン。そこにオレも入ってるんだけどなぁ」
「………」
って、もしやこのお姉さまは…
この超絶美人な爽やかな風を吹かせるこのお姉さまは…
正真正銘の…
「早乙女 瑠美です♡
ムダにできのいい弟の葵がお世話になってるわね♡」
葵くんのお姉さま─────!!?