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ネムリヒメ.
第26章 夜明け.
え…
「おっ帰りぃー」
─開いた扉の先には葵くんが立っていた
……
「…とっつにゅー♪」
聖くんが雅くんを勢いよく押し込んだや否や、即座にエントランスの扉が閉められた
勿論、渚くんとアタシは廊下に残っている
そして…
「被害は最小限に…ねっ♪」
聖くんも残っているわけで…
あぁぁ…
『バッ!!ふざけんな、聖っ‼』
「ちょっとー、破壊行為は慎んでくださーい」
まさかの危険地帯ともわからぬ所へ単身放り込まれた非常事態に、内側から扉をバンバンと叩いている雅くん
「それよりも雅隊員、後詰めの我々になかの状況を報告せよ~♪」
それに比べ、扉を背中で封印しながら素敵なウインクをくれる聖くんはなんとも楽しそうだ
スイートルームのエントランス部分は、玄関からリビングへの導線上に空間を隔てている2枚の扉が存在する
今、雅くんがいるのはその間の空間だ
『…誰もいねぇし。つーか、こんなところに誰か居られたら気持ちわり…ッ‼』
「りょーかーい♪」
─ゴンッ‼
そこで、無理矢理先陣を切らされた彼からのせっかくの報告を痛々しい衝撃音で見事に遮り、何が起きたかはあえて言わないが何食わぬ顔で扉の先に足を踏み入れる小悪魔
「テ…んメェ…」
あ…
雅くんの額が遠目に見ても赤い…
「さて、問題はここからでー♪」
すると、中程で立ち止まった聖くんは振り返るなり、手をかざして渚くんとアタシの進入を制する