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やらし恥ずかし夏休みバイト
第5章 マジシャンの助手
「やると決めたからには、精一杯やらせていただきたいので……色々と質問してもかまいませんか?」
 朱里が指で涙を拭き拭き、言う。
「どうぞどうぞ、もちろんですとも。到着まで、まだ約12時間もかかりますし、時間はたっぷりありますしね」
 ポロリは再び穏やかな微笑みを浮かべ、そう答えた。
 朱里はすぐさま、質問攻めを開始する。
「えっと……。艶『魔術』っておっしゃってますが、タネはあるんですよね? マジックなんですよね?」
「おっしゃるとおりですな。私は超能力者ではございませんので。全てのマジックにおいて、トリックがございますよ。それでも、魔術と名乗っているのは、こう書かせていただいた方が、お客様もお喜びですので。魔術……いい響きじゃないですか」
 嬉しそうにポロリが答えた。
 朱里の質問は続く。
「それから……。面接でのことなんですが、『動物と子供は好きか?』という質問をされてましたが、動物や子供と一緒に行うマジックなどがあるのでしょうか?」
「少なくとも今回のステージでは、動物も子供も出てきませんね。そんなに深い意味はないのですよ、その質問には。では、次の質問お願いします」
「んっと~」
 ちょっと考え込む朱里。
「大体そもそも……ステージ上でそういう行為をしてしまって、お客様に見せても、法律的には問題ないのでしょうか? 捕まるのは絶対に嫌ですよ」
「問題ございませんので、ご安心あれ。たしかに、日本だと大問題でしょうな。しかし、我々が興行を行うのは、主に海外ですので問題ございません。今回の舞台であるサバニボシ共和国でも同様です。この国では、ロックバンドのライブ中に、ステージ上で男女がセッ×スすることもございます。そういうことが堂々と行われている国でして、公然ナントカ罪もございませんし、何ら問題ないのですよ」


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