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やらし恥ずかし夏休みバイト
第8章 朱里と優輝
 そうして対面座位で優輝と抱き合ったまま、ふと朱里は思い返した。
 この夏休みのことを。
 いや、夏休み自体はまだ終わってはいないのだが、朱里は心ひそかに「もう怪しげなバイトはしない。いくら高時給でも」と心に誓っていたので、朱里にとっての「夏休みバイト」は終わっていたのだった。
「それにしても、散々だったなぁ」とこれまでのバイトのことに頭を巡らせる朱里。
 しかし、そんなことは、まるで昔のことのように朱里には思われた。
 ついさっきのイベントコンパニオンの仕事ですら。
 そして、「こうして素敵な彼氏が出来たんだし、いい夏休みになったかも」と思う朱里。
 お腹の中に、硬くて熱い優輝のシンボルを感じつつ。
 熱いのは、身体だけでなく、朱里の心も同様だった。
 自分がこんな気持ちになるなんて、少し前までは全く想像してなかった朱里には、若干の戸惑いもあったが。
 ふと、優輝との出会いのことを思い出した朱里は、口を開いた。
「そういえば、私たちの出会いは、あまりロマンチックなものじゃなかったね」
「うん、たしかに。でも、いいじゃん、そんなこと。今、こうして幸せなんだから」
「そうだね」
 そして、あの出会いの日、初めて優輝と交わったときのことを思い出す朱里。
 そこでハッとして、優輝に尋ねた。
「そういえば、あの初めてのときも優輝君、『腫れてるから、治療して』とか言ってたでしょ。今日のナースプレイみたいに!」
「よく覚えてるなぁ」
 苦笑する優輝。
「優輝君は、そういうプレイが好きなんだね」
「朱里は嫌?」
「分かんないけど、嫌ではないよ。それは相手が優輝君だからかもしれないけど」
「そんな嬉しいこと言うのは反則!」
 優輝は嬉しそうな様子で、朱里をさらにきつく抱きしめた。
 ギュッと押し付けられる優輝の身体に、さらにドキドキする朱里。
 そして優輝が言葉を続けた。
「じゃあ、また色んなプレイをしようね」
「うん。優輝君となら、色々してみたい。大好きだよ」
 朱里はそう言うと、今度は自分から思いっきり身体を押し付けた。


                     【完】


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