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やらし恥ずかし夏休みバイト
第6章 夏祭りの屋台
 8月上旬の、ある暑い日の午後4時、朱里は浴衣姿で一人、夏祭りに来ていた。
 遊びに来たわけではなく、バイトのためだ。
 まだマジックショーから日も浅いにも関わらず、好条件のバイトを発見したら応募をやめられない朱里。
 先日、電話で友達とおしゃべりをした際に、近況をちらっと報告したところ、「バイトのトレジャーハンター」と呼ばれてしまった。
 朱里としては「響きが、かっこいい」と言っており、このあだ名に大満足のようだったが。
 もちろん、バイトを自ら辞めた理由や、各バイトの詳しい内容については一切誰にも話していない。
 それらはもう、朱里自身、忘れ去りたいことなので。

 そして今回、バイトのトレジャーハンター朱里が挑戦しようとしているのは、夏祭りの屋台にて、店主をサポートする仕事だ。
 夏祭り当日のみの契約で、その日の夕方から長くても6時間程度の勤務にも関わらず、日当3万円という高時給に心惹かれたのだった。
 今まで散々、この手の高時給バイトでいやらしい目に遭っているのに、またしても高時給に目がくらんで挑戦することにした朱里。
 このバイトもまた、ここまで4つのバイトが掲載されていたのと同じバイト情報誌の最新号から見つけたのだった。
 何ともヤバすぎる情報誌であるが、朱里は一向に気にしていないらしい。
 気にするべきなのだが。
 ともかく、「応募だけしてみよっか」と軽い気持ちで面接を受けたところ、朱里は見事に採用となった。
 いつものことである。


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