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やらし恥ずかし夏休みバイト
第7章 イベントコンパニオン
「優輝君! 大丈夫?!」
 心配のあまり、手で身体を隠すことすら忘れている朱里。
 そんな朱里の耳元で、優輝が小声で言った。
「気分が悪いとか頭痛とか、全部嘘だから」
「えええ?!」
 驚く朱里に、優輝が言葉を続ける。
「そんなことよりも、朱里お姉さん。早く服を着ないと! とりあえず、このステージを下りようよ」
 そのとき、山村が二人の方へ歩いてきて言った。
「綿貫さん、お大事になさってくださいね」
 こう言われると、ここにとどまっていることが難しくなった優輝は、「はい、それでは失礼します」と言って、出口へと向かった。
 呼び止めたい気持ちでいっぱいだった朱里だが、そばに山村もいるし、何より全裸のままなので、何も言えない。

 山村が朱里に衣装を手渡して言った。
「春日井さん、お疲れ様です! 助かりましたよ! お二人が帰られたときには、どうなることかと気をもみましたが、春日井さんのお陰です。さぁ、衣装を着てくださいね。お給料はお聞きしている口座へと1週間以内に振り込んでおきますので、ご心配なく。本当にお疲れ様でした!」
 朱里は一言「お疲れ様でした」とだけ言って頭を下げると、ティッシュで股間を拭ってから、そそくさと衣装を身につけた。
 そして、体育館出口の方へと目をやるが、人だかりのせいもあって、優輝の姿は見当たらない。

 朱里にはたった一つ心配事があった。
 それは、「優輝が性交しなかったのは、自分のあんな姿を見て軽蔑したからかもしれない。嫌われたかもしれない」ということだ。
 なぜか、優輝に嫌われたくなくなっている自分に気づく朱里。
 朱里は「もしかして……私、優輝君のことを……」と考えていた。
 過去に一人だけ交際した男子はいるものの、そのときは相手の熱意に押されて断りきれずに付き合ったに過ぎない状況だったので、こういう気持ちは生まれて初めての朱里。
 初めての気持ちに戸惑いながらも、朱里は大急ぎで更衣室へと走り去った。


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