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やらし恥ずかし夏休みバイト
第7章 イベントコンパニオン
 優輝のバイクは、後部にシートと背もたれのついた、明らかに二人乗り可能なタイプだった。
「今日の朱里お姉さんはジーンズにスニーカーだから、問題ないね。一応、スカートだったときのために、ジャージを持ってきてたんだけど。はい、これ、ヘルメット」
 優輝はそう言って、白いヘルメットを朱里に手渡す。
 朱里は受け取ってかぶりながら、恐る恐る言った。
「えっと、二人乗り、二年ぶりなんだけど……。久しぶりすぎて、ちょっと怖いかも。ゆっくりお願いね」
「もちろんだってば。そっか、朱里お姉さんは経験があるんだね。じゃあ、分かってると思うけど……カーブで身体を傾けないで、自然に乗っていてね。運転は僕に任せてくれれば問題ないから」
 そう言いつつ、バイクに乗り込む優輝。
 朱里は「うん」と返事をして、ヘルメットを着け始める。
 そして、朱里がヘルメットを装着したのを見て、優輝が言った。
「準備できたら、どうぞ。気をつけて乗ってね」
「うん、ありがとう」
 朱里は慎重に後部シートに乗り込むと、「オッケー」と合図を送った。
 両手をギュッと、優輝のお腹に回しながら。
「それじゃ、行くよ~!」
 元気よく言うと、優輝はゆっくりとバイクを発進させた。



 優輝が安全運転に徹してくれたこともあり、道中は何事もなく過ぎた。
 初めて通る道なので、朱里にとっては全てが新鮮に映る。
 涼しい風を受けながら、朱里は久々の二人乗りを楽しんだ。


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