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やらし恥ずかし夏休みバイト
第2章 下着モデル
「ふぅ、やっと着いた。ここかぁ」
 暑い日差しの中、目的のビルまでたどり着いた朱里は右手で額の汗を拭った。
「海の家では散々な目に遭っちゃったからなぁ。今度はまともなお仕事ならいいけど……」
 前回のバイトのことを思い出すと、いまだに顔から火が出る思いの朱里。
 その後、深く考えたが、「やっぱり、こんなことが毎日続くのは御免だ」という結論に至り、その日のうちに辞めたのだった。
 時給こそ魅力的だと働く前までは思っていたが、実際に勤務してみて、「あそこまでのことをされるのであればむしろ安いかもしれない」と思ったことも、辞めるに至った原因の一つだ。

 そして今回、気持ちも新たに、朱里は別のバイトに挑戦しようとしていた。
 気になった求人広告があったので、面接を受けてみたのだ。
 それは「下着モデル」の求人で、「1日2時間勤務で日当5000円」「週2回からOK!」と謳われている。
 朱里は「下着モデル」という業務自体に、かなり恥ずかしさを感じていたのだが、好待遇の誘惑にまたしても屈する格好となった。
 破格の条件に、怪しい雰囲気をひしひしと感じ取っていたものの、例によって「面接だけでも受けてみようかな」と思って、受けてみた朱里。
 今度は即採用ではなかったものの、僅か2日後、採用の電話を受けることができた。
 業務内容については、「新作下着のカタログに写真を載せるための着用モデル」「更衣室にて、それぞれの下着に着替え、撮影を受ける」といった漠然としたことしか聞かされておらず、今回もまた「なぜこんなに高時給なのか」という理由も知らされていなかったが。
 それでも朱里は、「前回のバイトが酷すぎただけ。いくらなんでも、あんなのばっかじゃないはず」という思いから、この仕事をすることに決めた。
 そしてこの日、初仕事のために、指定されたビルまでやってきたのだ。


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