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淫らデッサンに疼く人妻
第16章 衛一のデッサン初体験
「そろそろ20分が近づいてきましたね。京極さん、いかがですか?」
 時間は飛ぶように過ぎ、早くもポーズ開始から18分近くが経過したようだ。
 近崎は身を乗り出し、衛一の画用紙を覗き込んだ。
 衛一は苦笑して言う。
「ん~。完成には程遠いですし、酷い出来ですが……」
「おお! 素晴らしいじゃないですか。初回からこれだけ描けたら、十分ですよ。やはり、京極さんにはセンスがおありですね」
「ありがとうございます……」
「では、10分間の休憩に入りましょうか。佐夜香さん、お疲れ様です」
 時計を見て、近崎が言った。
 聞くや否や、全裸のまま、サッとモデル台から降りた佐夜香は、衛一の方へ駆け寄ってくる。
 ローブも纏(まと)わぬまま。
 至極当然ながら、衛一はうろたえた。
 衛一の隣に来た佐夜香は、その画用紙を覗き込む。
 目を爛々と輝かせて。
「わぁ~。丁寧に描いてくださってますね! ありがとうございます! えっと、京極さん、でしたっけ?」
「あ、は、はい……。ありがとうございます」
 衛一がどもりながら答える。
 衛一のすぐ隣で、やや前傾姿勢になりながら絵を覗き込んでいる佐夜香は、その裸身を隠そうともしていないのだった。
 手の届く距離に、佐夜香の裸身が来た途端、全くそちらへ目を向けられなくなる衛一。
 見たい気持ちは山々だったが、じろじろ見ることはどうしてもできなかったようだ。


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