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淫らデッサンに疼く人妻
第16章 衛一のデッサン初体験
「京極さんも、そばに来られますか?」
 衛一の方へ振り返って聞く近崎。
 さすがに近崎も平常心ではいられないようだったが、あまりの出来事に大恐慌をきたしている衛一には近崎の様子を観察する余裕などなかった。
 そして、カラカラになった喉を唾で潤して、消え入りそうな声で言う。
「近崎さん……。いったい、何を……?」
「佐夜香さんの身体を、より美しくする下準備ですよ。芸術のためです」
 近崎が言う「芸術のため」は全くアテにならなかった。
 大義名分として言っているに過ぎないのは、明らかだ。
 それなのに、衛一は抗議する気が起きない。
 すでに情欲が衛一の全てを埋め尽くしていた。
 情欲に埋め尽くされていたのは、衛一だけでなく、佐夜香と近崎も同様だったが。
「じゃあ、行きますよ……」
 近崎はそう言ってかがみこむと、佐夜香の股間に顔を近づける。
 そして、花裂をペロペロと舐め始めた。
「あああんっ」
 色っぽい声が佐夜香の口から漏れ出る。
 佐夜香の右手は自然と、自らの乳房を触っていた。
 衛一は呆然と突っ立ったまま、まるで夢を見ているかのような表情で、目の前の出来事を眺めている。
 ちゃぷちゃぷと近崎が佐夜香の花唇を舐める音と、佐夜香のあえぎ声が、静まり返ったアトリエに流れていった。


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