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淫らデッサンに疼く人妻
第17章 佐夜香と衛一
 秘所を何度か拭いてから、突然佐夜香が尋ねてきた。
「ねぇ、次の予定ってどうなってるんだっけ? もう日取りは決まってるの?」
「土曜日の2時からだよ」
「え~?! 私、その日は空いてるって、所長に伝えてあったのにぃ。私に何も話が来てないってことは、別のモデルさんを描くんでしょ。どうして私じゃないんだろ……所長の意地悪かな?」
 首をかしげる佐夜香。
 衛一にとっても謎だったが、想像して答える。
「もしかすると、『別のモデルも描いて、早く上達を』ってことなのかな。俺、ズブの素人だし」
「ん~、どうなのかなぁ。それにしても残念。でも、アトリエでのモデルじゃなくても、ここで出来るから問題ないかぁ。また近いうちに連絡するね。クッキーもまた食べさせてあげたいし」
 くすくす笑いながら、おどけた調子で佐夜香が尋ねる。
「クッキーか私、どっちが美味しかった?」
「えっと……その……両方」
 一瞬うろたえたものの、どうにか衛一は答えることができた。
「もう、衛一さんはホントお上手なんだから」
 佐夜香はまんざらでもない様子だ。
「じゃあ、また食べに来てね。待ってるから」
「あ……食べにって、その……」
「うふふ、両方!」
 元気よく言い切ると、佐夜香は衛一の唇にキスをする。
 衛一も愛しくなって、佐夜香の頭を軽く撫でた。
「じゃあ、服を着なくちゃ。長々と引き止めてごめんね」
 謝る佐夜香に、衛一は「とんでもない」と答える。
 そして二人は服を着た。


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