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淫らデッサンに疼く人妻
第21章 衛一、2度目のデッサン
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 二人の戻りが遅いので、「もしや」と思った近崎は、浴室の前まで来ていた。
 ドアは、すりガラスとなっており、中の様子はうかがい知ることはできない。
 しかし、美雪のあげる連続的な声によって、何が行われているのかは近崎にも容易に察することができた。
 やはり、と思う近崎。
 そういえば前回の佐夜香のときも、衛一はなかなか戻ってこなかったので、きっと今回同様に浴室で性交していたのだろう、と近崎は考えた。
 そして、ほんの少しだけ、嫉妬を感じる近崎。
 美雪も佐夜香も、こうして衛一と一緒に浴室に入り、性交に及んだのだ。
 近崎と交わったときは、美雪も佐夜香もひとりで浴室に入り、近崎を入れることはなかったのだった。
 しかも、今回の美雪に至っては、さっきの性交直後も、しばし繋がったまま睦言を言い合っていたのだ。
「自分とのときは、あっさり美雪から身体を離したし、すぐに普段の明るくあっけらかんとした態度に戻ったのに」と思い出す近崎。
 そう考えると、何だか衛一に負けたような気分となり、近崎は僅かながら悔しい気持ちになった。
「ふぅ……。でも、仕方ないか。僕が、こうなるように仕向けたようなもんだからなぁ。それに、僕だって、次回いよいよ、茜さんと……」
 そんなことをぼそぼそ呟くと、近崎は再びアトリエへと引き返し、二人が戻るのを待つことにした。


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