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淫らデッサンに疼く人妻
第6章 面接と実技
 茜と会話を交わしたあの日の胸の高鳴りを、近崎は忘れられないでいた。
 つとめて何気なさを装ってはいたが、心の中では欲望の波が荒れ狂い、目の前の二人にそれを悟られないようにするのに必死だった近崎。
 まだモデルへと応募してくれるかどうかも決まっていないのに、だ。
 それなのに、翌日にはもう郵便で、茜からの書類が届いていたので、近崎は一瞬目を疑った。
 すると、もう近崎は止まらない。
 自分でも止められないほどの「早く彼女の裸を見たい」という衝動が近崎を襲う。
 書類にさらっと目を通すと、その翌日にはもう、書類審査合格を伝える電話をかけていた。
 この行動の早さには、彼自身も内心少し呆れていたほどだ。
 そして、なるべく近い日取りで面接を……と、苦心してスケジュール調整をし、この日を迎えた。
 前日、気持ちの高ぶりが抑えきれず、一睡もしていない近崎。
 しかし、そんなことも気にならぬほど、近崎の期待は大きかった。
 これから茜の裸を見られる、というその期待が。
 そして、その後のことを思案する。
 その虜(とりこ)となっている二名のモデル、美雪と沙夜香のことを心に思い浮かべる近崎。
 すでにその二人は、この教室だけでなく、自身のアトリエでもポーズをとらせていた。
 もちろん、モデル料はたっぷりと支払って。
 是非アトリエに茜も呼び込みたい、とすでに近崎は考えていた。
 とっくに、茜のモデル採用は、近崎の中では決定事項のようだ。
 もし万が一、この実技試験で茜本人から何か問題が提示されても、「では私のアトリエでモデルをなさいませんか? あちらでしたら、ポーズ時間短縮など色々と融通がきくので」と切り出すことを心に決めていた。
 どちらにせよ、遅かれ早かれ、アトリエへと誘うつもりではあったが。
 近崎の鼓動は、早まるばかりだ。
「だけど……気づかれないようにしないと……」
 近崎は立ち止まると静かに目を閉じ、どうにか心を鎮めようとする。
 それでも、まだ茜の裸を見ていない状況にも関わらず、すでにシンボルが立ち上がってきそうなほど、近崎の興奮は根深かった。


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