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淫らデッサンに疼く人妻
第15章 衛一、行動へ
 衛一の答えに、近崎は満足げに頷いた。
「それはよかったです。それでは、明日の午後5時45分ごろに、こちらのビルまで来ていただけますか?」
「了解です。あの……持参品は、鉛筆と画用紙だけで?」
「ええ、それだけで結構ですよ」
「あと……明日、アトリエで早速、モデルの方を描くんでしょうか?」
 これを聞くときは、唾(つば)をゴクリと飲み込んだ衛一。
 早くも期待してしまっているようだ。
「ええ、もちろんですとも。素晴らしいモデルさんをお一方、お呼びいたしますので。とても若くて美しい方ですから、楽しく学んでいただけるかと思います」
 近崎のこの答えに、衛一は飛び上がらんばかりの思いだった。
 もっとも、表情や仕草には出さなかったのは、もちろんだが。
「それでは、明日よろしくお願いいたしますね!」
 こころもち大きめの声で言う衛一。
 その明るい声からは、期待がうかがい知れた。
「こちらこそよろしくお願いいたします。楽しみにしていてくださいね」
 にっこり笑う近崎と挨拶を交わし、衛一は近崎絵画教室を後にした。


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