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あたしに全部見せなさいっ!
第7章 やっぱり発情しちゃいますっ!
わかってるよそんなの。柚留は確かに女の子みたいに可愛いけど、女の子とは思ってないっ。
あたしは床に落ちているぐしゃぐしゃになったガムテープを見つめた。びりびり剥がして、あたしにキスしてきた柚留は、すごく男の子っぽかった。腕力も、噛みつくようなキスも、荒い息遣いも、優しいたれ目の奥に垣間見えた獣みたいな凶暴さも。
いきなり豹変するから、びっくりして、レズじゃないしとか酷いことを言っちゃった。
「柚留……」
優しい柚留が、あんなふうに皮肉な言葉であたしを拒んだことはなくて、それもショックだった。
「他にこんなこと、頼める男の子なんているわけないじゃんか……」
柚留だから、協力してって言えたのに。柚留だから、無理なお願いも、わがままも、なんでも言えた。言いすぎちゃうくらい本当になんでも。
拒まれて気付いた。あたし、優しい柚留に甘えすぎてたのかな。
「ゆずるぅ……」
漫画のための研究ができなくなることよりも、柚留を傷つけて拒まれたことが何より悲しくて、その日はずっと膝を抱えて泣いていたーー。