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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
ドキドキと高鳴る気持ちを抑え、あたしは図書室に向かった。ドアを少し開けて、隙間から中を覗く。
あれ、なんか静かだ。あんまり人がいる気配はない。
そっとドアを開け、中へと入った。
図書室には勉強をしている子と、本を選んでいる子が数人だけ。
あれ、図書委員ぽい子はもういない?
中で作業をしている司書さんに聞いてみた。
「あの……、図書委員の集まりってもう終わりましたか?」
「あら、あなたも図書委員? ……だっけ?」
こんな子いたかしら、みたいな顔で首をかしげられ、慌てて首を振る。
「違います。ただ、えっと、図書委員の友達に用があって……っ」
名前さえ言わなければ柚留を追ってここまで来たのがバレることはないのに、ついつい慌てちゃう。
「もうとっくに帰ったわねーみんな。新しく入ってきた本にシールを貼ってもらう作業があって呼んだのよ」
「そ、そーですか」
あたしはぺこりと頭を下げて、図書室を出た。もう帰っちゃったのかぁ。