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あたしに全部見せなさいっ!
第9章 二人の気持ち
冷静になって頭の中が冴えてくると、何から言おう、なんて考えてしまう。
とりあえず柚留から離れた。
だ、抱きついちゃった……っ、今さらだけどっ。
「あたし、柚留を女の子だとは思ってないよ……。一昨日はその……、レズじゃないとか、言っちゃったけど……」
同じ言葉をまた繰り返してみて、本当に酷い言葉だったなって改めて感じた。
まして、柚留があたしを好きなんだとしたらなおさら言葉の殺傷力は上がる。
「ごめんね……酷いこと言って。怒った?」
柚留は言葉を探すように、間を開けた。
陽はほとんど沈んでしまって、西陽が辺りを赤く染めている。
「……怒ったっていうか、ショックだった。ほんとに僕、女の子みたいに見られてるんだなって。……全然、男として見てもらえてないんだなって。『可愛い』ばっかり言われるし」