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あたしに全部見せなさいっ!
第10章 あたしに全部見せなさいっ!
今日は柚留を観察する目的で来たわけじゃないけど、一応。もうこのスケッチブックは、二人で修羅場をくぐり抜けてきたいわばパートナーみたいな存在なのだ!
これなしじゃ、あたしの画力上達はあり得なかった!
そんなことを考えて思わずスケッチブックをぎゅっと抱きしめていると、柚留は少しだけ怯えたような目をあたしに向けて、毛布で体を隠すようにした。
また脱がされて、いろいろと観察されると思ったのだろうか。
そんな、わんこみたいな仕草にキュンとする。可愛いなぁって。
こういう気持ちも、恋愛感情なのかな。そう思うと、今まで意識せずに見たり聞いたりしてきたいろいろな仕草や言動が、すべて新鮮なものに感じられた。
「柚留……」
たまらずに、ベッドの上で柚留ににじりより、その頬に触れた。スケッチブックは、脇へと放った。