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あたしに全部見せなさいっ!
第10章 あたしに全部見せなさいっ!

 ふいに柚留がくすくすと笑った。

「まりねちゃん、可愛い……」

 それもあんまり言われ慣れてないせいで、ますます照れて頬の熱が増した。
 柚留の手のひらが、あたしの胸を撫でる。壊れ物に触れるように、そーっと。
 この前のような乱暴さはなくて、それもあたしを安心させる。
 羽織っていたパーカーを、そっと脱がされた。部屋は暖房がきいていて寒くはなかったけど、薄着になるのはそこはかとなく心もとない。
 上はシャツ、一枚だけになっちゃった。
 柚留の手が再び胸元に伸びる。そっと揉まれて、体がついつい硬くなってしまう。

「なんか、すごく緊張してるね」

 言われて、体中がガッチガチに強張っていたことに気付いた。鼻息まで荒くなってそう。
 あれだけ柚留の体を見たり触ったりしたのに、同じことを今度は逆にされそうになって、するのとされるの、気持ち的にこんなに違うのかと思う。
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