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あたしに全部見せなさいっ!
第10章 あたしに全部見せなさいっ!

 今度は柚留の方から、キスされる。
 心地よさに目を閉じると、ふいに柚留の片手があたしの胸を、服越しにまさぐった。

「……っ」

 思わず体がびくっとなった。
 すぐさま柚留が、胸元に置いた手を離す。

「……ごめん。嫌だった?」

 不安そうに見つめてくる。
 あたしは慌てて首を振った。

「大丈夫、全然嫌じゃないよ?」

 この前みたいに酷い言葉で拒絶して、柚留を傷つけたくなかった。
 触られるのが嫌なわけじゃない。いきなりで、ちょっとびっくりしただけで……。
 それを伝えるために、柚留の手を掴んで自ら胸元に引き寄せた。

「い、いっぱい、触っていいよ……?」

 柚留を安心させるために、羞恥心を凪ぎ払ってそう口にする。
 だけどやっぱり恥ずかしくて、柚留の顔をまともに見れず、顔を背けた。頬も熱い。多分真っ赤になってる。
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